公開日 2016年06月01日
最終更新日 2019年10月24日
外来や入院でなく、自宅などの生活の場で、診療や治療、処置などを行うのが「在宅医療」です。
おもに病院への通院がむずかしい患者さんが、医師や看護師、リハビリ従事者などに、自宅または入居施設に来てもらい、医療の継続や支援を受けることをいいます。
住み慣れた自宅や施設で療養生活を送ることができます
超高齢社会を反映し、いま、長期の療養生活を行っている人が大勢います。
現状は、そのほとんどが病院での入院生活になりますが、病院ではなく、在宅医療や看護・介護などのさまざまなサービスを利用して、住み慣れた自宅や施設で療養生活を送ることも可能です。
最近では、この在宅での療養生活を希望する人が増えています。
「往診」とどこが違うの?
訪問診療も往診も在宅医療に含まれますが、訪問診療は、定期的に訪問して行う医療処置で、 往診は、おもに急変時などに不定期に行う治療をいいます。
この「訪問診療」と「往診」を合わせて、在宅医療と考えることができます。
ほかの医療機関や専門家とも連携
重い病気や介護などの不安も抱えた高齢者には、さまざまなサポートが必要です。
そこで在宅での療養生活の不安をなくすために、まずかかりつけ医は他の医療機関と連携し、精密検査や入院治療も含めた24時間体制の医療サポートを確実にします。
さらに、介護サービス関係者、訪問看護ステーション、歯科医師、薬剤師など他の分野の専門家とも緊密に連携することで、チームとして療養生活をサポートしていきます。
在宅医療のイメージ
在宅患者
自宅などの生活の場で日常的に医療および介護支援を受けます
医師による病状の診察や医療処置、薬の処方などのほか、看護師による診療の補助と療養上の世話、介護ヘルパーによる日常の生活支援、理学療法士による機能回復リハビリなど、在宅で病院と変わらないような医療・介護サービスを受けることができます。
また、場合によっては歯科医師、薬剤師、栄養士などの訪問を受けることも可能です。
かかりつけ医
全人的・維持的な治療を行います
ふだん通院して行うような日常的な治療、健康管理を、自宅に訪問して行います。
かかりつけ医や看護師、ホームヘルパーなどが協力して、住み慣れた場所での全人的なケアやサポートをします。
病院
入院による治療を行います
症状が悪化して容体が急変したり、検査が必要になったときなど、必要に応じて専門の病院に入院(通院)し、医療を受けることができます。
かかりつけ医と病院は、在宅患者の医療情報の共有・提供など、連携をとって治療・管理にあたります。
在宅医療のメリット
- 通院や入院の負担や不安から解消され、自宅など住み慣れた場所で療養生活を送ることができる。
- 患者や家族と主治医(地域のかかりつけ医)との信頼関係が築きやすい。
- ほかの医療機関との連携で、必要に応じた検査や入院なども含めた24時間体制の療養ができる。
- 医療だけでなく、介護などほかの分野の専門家との連携でトータルサポートが受けられる。